まいにち奈良づけ♪

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シルクロードの美を堪能!『第68回 正倉院展』

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お店休みの月曜日。早速、頂いたチケットを持って『第68回 正倉院展』へ行ってきました。
※前年の記事はこちら→「ルイヴィトンもリスペクト!?『第67回正倉院展』(奈良市)

▼電車移動の間「月刊大和路ならら」の正倉院展特集で予習。
第68回 正倉院展 2016

▼「近鉄奈良駅」から会場の「奈良国立博物館」までの間にあった案内板。
第68回 正倉院展 2016

▼会場に到着!
第68回 正倉院展 2016

晴天に恵まれ気持ちも晴れやかな気分で会場周辺を見て回りました。(周辺の様子は後半で!)

第68回 正倉院展 2016

第68回 正倉院展 2016

▼待ち時間は10分。月曜平日のお昼すぎだったのでスムーズに入場できました。
第68回 正倉院展 2016

普段「奈良国立博物館」は月曜休館ですが、正倉院展の期間中は月曜日も開館しています。
お休みが月曜日の私にはとってもありがたい!

第68回 正倉院展 2016

▼『正倉院展』恒例の、読売新聞の特別版も配布されています。
第68回 正倉院展 2016

宝物を鑑賞した感想など


『第68回 正倉院展』のメインとなっている宝物は華麗な文様が施された水瓶「漆胡瓶 (しっこへい)」です。教科書などで見たことのある方もおられるかと思いますが、今回18年ぶりの出陳となります。
その他にも倉からの出入を記録した「出入帳 (しゅつにゅうちょう)」や、聖武天皇の一周忌斎会(さいえ)で法会(ほうえ)の場を飾った「大幡残欠(だいばんざんけつ)」、「富本銭」や「和同開珎」鋳銭の際にも用いられたとされる「アンチモン塊 (あんちもんかい)」、写経生の待遇改善について箇条書きがされた「続々修正倉院古文書(ぞくぞくしゅうしょうそういんこもんじょ) 第四十六帙 第八巻」などなど。
細かいツボを突いてくるような宝物が並んでいました!

中から特に気になったものをピックアップして感想を書いておきます。
※説明文は奈良国立博物館の公式HPより引用させていただきました。

漆胡瓶(しっこへい)

 丸く張った胴部に鳥の頭を思わせる注口(ちゅうこう)をのせ、裾広がりの台脚(だいきゃく)と湾曲する把手(とって)を備えた水瓶(すいびょう)。テープ状にした木の薄板を巻き上げる巻胎(けんたい)技法によって素地(きじ)を成形し、全体に黒漆(くろうるし)を塗った上に、文様(もんよう)の形に切り透かした銀板を貼る平脱(へいだつ)技法で山岳や鹿、オシドリなどを施し、広々とした草原に禽獣(きんじゅう)が遊ぶ様子を表す。西方に由来する器形と、東アジアで編み出された巻胎技法・漆芸技法とが融合した、まさに当時の国際的な交流の産物といえる品である。

ササン朝ペルシャで流行していた器形に、東アジアの巻胎技法・漆芸技法とが融合。唐で作ったものが日本にやってきました。これぞまさに”ザ・シルクロード!!”といえる象徴的な宝物です。
平脱技法で施された文様はバラエティに富んでいて、山岳・草花・鹿・羊・ヤツガシラ・オシドリ・蝶・蜂が作り込まれています。艶やかで高級感のある黒漆の中で輝く精緻な文様。思わず息を呑んでしまう美しさでした。

出入帳(しゅつにゅうちょう)

 宝庫北倉の宝物について、倉からの出入を記録した文書(もんじょ)。天平勝宝8歳(756)10月3日に薬物の人参を施薬院へ出蔵した時から、延暦3年(784)3月29日に王羲之(おうぎし)の書法8巻が返納されるまでの記録を年次順に整理する。天平宝字6年(762)12月14日には、欧陽詢(おうようじゅん)の真跡屏風(しんせきびょうぶ)12扇が道鏡(どうきょう)に貸し出され、2年後の7月27日に返却されたことが記されており、これは宮中以外への最初の出蔵として注目される。文中には良弁(ろうべん)や慈訓(じくん)といった高僧の自署もみられる。

北倉からの宝物の出入を記録した文書で、薬物の人参が施薬院へ貸し出された記述があったり、高僧「良弁」の自署もあります。中でも興味深かったのは「道鏡」が欧陽詢(唐代の儒家、書家)の真跡屏風を借りていたという記述。何かの宴に使用したのでしょうか?勝手な妄想が膨らみます。

磁皿(じざら)

 二彩(にさい)技法で加飾された大型の皿。白色釉(ゆう)のみを施す底裏を除き、白色釉と緑釉を斑(まだら)に塗って焼き上げている。縁が立ち上がった平たい鉢形で、低い高台(こうだい)が付く。見込みには浅く円形が刻され、見込み及び底裏の中央に各1箇処トチン痕が遺っている。底裏の墨書(ぼくしょ)より、天平勝宝7歳(755)7月19日に行われた、聖武天皇の生母である中宮・藤原宮子(ふじわらのきゅうし)の一周忌斎会(さいえ)にて、聖僧供養(しょうそうくよう)の食作法(じきさほう)に用いられたものと推測される。技法や胎土よりわが国で作られたものであることがわかる。

唐三彩をまねてつくられた国産品の器です。しかし「ならら」の記事によると<三彩を目指したのでしょうが、すべて緑と白の二彩になってしまっている。褐色が入っていない。文様のつけ方が甘くあまり上手ではないですよね。>とのことで、唐の三彩とのクオリティーの差は歴然!?
頑張ったけどあまり上手くは作れなかったようです^^;
当時の技術を結集して作られた豪華絢爛で優美な宝物を見られることが『正倉院展』の醍醐味ではありますが、唐の技術に憧れて当時の日本人が一生懸命作った未熟な作品が展示されるというのも、魅力の一つだと思います。

アンチモン塊(あんちもんかい)

 アンチモンは金属の一種(記号Sb)で、銀白色の光沢があり、もろく、毒性がある。15世紀頃、西洋で元素として知られるようになり、金属活字などの合金に主に用いられてきた。現在は半導体など電子材料の用途として重要である。本品は金属の鋳塊(ちゅうかい/インゴット)。白銅塊(はくどうかい)と呼ばれてきたが、近年の調査によりアンチモンと判明した。上面がかまぼこ形をした六面体で、一部に破断面を呈する。金属材料史上、興味深い品である。

明治時代の調査時に「白銅塊」と名付けられたものですが、1992〜3年に行われた蛍光X線、X線回折による調査で「白銅」ではなく「アンチモン」と判明。宝物の名称変更は滅多にあることではないそうですが、調査の結果を反映して97年に「アンチモン塊」と改められました。
アンチモンは金属の一種で毒性があり、日本では劇物指定されています。銅と混ぜると廻りがよくなり、混ぜ方によっては銅製品の硬度を増すことから、銅製品の鋳造にはうってつけの素材です。『続日本紀』には「白◯(◯=金へんに葛)」を献上した記録が残っており、これが「アンチモン」のことを指しているのではないかといわれています。
また、飛鳥池遺跡から出土した「富本銭」には5〜25%のアンチモンが含まれていたとのことで、当時の貨幣鋳造にも使用されていたようです。

撥鏤飛鳥形(ばちるのひちょうがた)

 翼を広げて飛ぶ鳥をかたどった象牙(ぞうげ)製の細工物。1羽は藍色に、2羽は蘇芳(すおう)色に染められている。小品ながら目や脚を作り、染めた象牙の表面を彫って白く文様(もんよう)などを表す撥鏤(ばちる)の技法で羽毛を表している。目や脚には孔(あな)が穿(うが)たれており、うち1羽の脚にわずかに紐が残ることから、紐を通して使用したようである。用途は不明であるが、何らかの飾りとして用いられたものであろう。  
 なお、近時行われた調査で、藍色の染料は藍を、蘇芳色の染料は紫根(しこん)を使用していることが判明した。

可愛らしい飛鳥の細工物ですが、実物を見て驚いたのはその大きさ!
想像していたよりもはるかに小さくて(長さ3.1センチ)、よく目を凝らさないと細かな細工まで観察できません。

ここで、以前の記事でも書いた「秘密兵器」を使用することにしました。
「秘密兵器」というのは誕生日にプレゼントでもらったOLYMPUSの双眼鏡です!よく展覧会などで皆さんが作品を細かく観察するために使っている"アレ"に以前から憧れていたので、プレゼントしてもらった時に(心が)飛び跳ねて喜んだのですが…!!残念ながら望遠の倍率が高すぎて、『正倉院展』には不向きでした;今度、本物の鳥を観察にバードウォッチングで活躍してもらおうと思います(^◇^)

…話がそれまくりですみません。

続々修正倉院古文書 (ぞくぞくしゅうしょうそういんこもんじょ)第四十六帙 第八巻

 経典の貸し借りや写経所(しゃきょうしょ)に関係する文書(もんじょ)を貼り継いで成巻したもの。そのうち著名な文書に「写経司解司内穏便事(しゃきょうしのげしないおんびんのこと)」がある(解は上級の役所に提出する上申書のこと)。これは写経を行う写経生の待遇改善を具体的に箇条書きにした内容で、紙が少なく書き手が多いので、紙が供給されるまで経師(きょうし)(書写係)の招集を停止すること、装潢(そうこう)(装丁係)と校生(こうせい)(校正係)の食事を改善すること、など全6箇条の要求が記されている。写経生の労働環境とそれに対する不満が垣間見える興味深い文書である。

古文書は展覧会の最後の方で展示されており、皆さん疲れているのか「文章系は見なくてもいいわ〜」的な会話が所々から聞こえてきたのですが、よく読んでみると当時の人々の生活や人間味が感じられて面白いですよ!
地方の戸籍や、社会的弱者を救済するような内容の古文書など今回も興味深いものが展示されていましたが、「続々修正倉院古文書」内の「写経司解司内穏便事」に書かれている内容は殊の外興味深かったです。

以下、「松下直子の人事今昔物語!?」より、その部分の意訳を引用させていただきました。

写経司が出す上申書(案)
この一切の内容は、部外秘に願います。

一、写経生の募集を停止して欲しいこと(※人が多いと賃金配分が減るから)。
一、(以前に支給された)浄衣を新しい浄衣に替えて欲しいこと。
一、(毎月五日間は)休暇が欲しいこと。
一、食事が粗悪であること(黒飯よりましなものにして欲しい)。
一、薬としての酒を(三日に一度は)支給して欲しいこと。
一、毎日麦飯を支給して欲しいこと。

当時も様々な苦労や葛藤があったのだな〜と、奈良時代の人々になんだか親近感。
<この一切の内容は、部外秘に願います。>ってところがなんともいえず(笑)

奈良国立博物館内や周辺の様子


すべての宝物を鑑賞し終わって階段を降りると、お茶席が設けられています。

▼お茶と御菓子のセットで500円です。
第68回 正倉院展 2016

▼グッズ売場もあります。
第68回 正倉院展 2016

館外の様子

『正倉院展』の期間中は様々なブースが敷地内に並びます。

▼記念切手の販売ブース。
第68回 正倉院展 2016

▼「柿の葉寿司」や「苺大福」などが販売されていました。
第68回 正倉院展 2016

▼無料のコインロッカーもありますので、荷物が多くても安心です。
第68回 正倉院展 2016

読売新聞ブースには工芸技術の体験コーナーや「校木(あぜき)」の展示などが行われています。
第68回 正倉院展 2016

無料休憩所

無料休憩所もありますので、こちらで昼食をとったり休憩することができます。

第68回 正倉院展 2016

▼毎年恒例「中国料理 桃谷樓」さんの正倉院展限定「薬膳弁当」!
第68回 正倉院展 2016

第68回 正倉院展 2016

▼「肉まん」や「ケーキセット」も!
第68回 正倉院展 2016

▼「中西与三郎」さんの和菓子。
第68回 正倉院展 2016

▼「魚万」さんと黒米カレーの販売ブース。
第68回 正倉院展 2016

▼「平宗」さんの柿の葉寿司。
第68回 正倉院展 2016

▼飲食スペース
第68回 正倉院展 2016

『正倉院展』と一緒に…

『正倉院展』の入場券で「なら仏像館」と「青銅器館」にも入館することができます。リニューアルしてさらにパワーアップした「なら仏像館」の仏像たちは必見です!

▼こちらも見逃すことができない名品ばかりですので、ぜひ!
第68回 正倉院展 2016

『第68回正倉院展』の情報

会 期 :平成28年10月22日(土)~11月7日(月) 全17日
会 場 :奈良国立博物館 東新館・西新館
休館日 :会期中無休
開館時間:9:00~18:00
     ※金曜日、土曜日、日曜日、祝日(10月22日・23日・28~30日、11月3日~6日)は20:00まで
     ※入館は閉館の30分前まで

観覧料金:一   般 ▷ 1,100円(当日)/ 1,000円(前売・団体)/ 800円(オータムレイト)
     高・大学生 ▷ 700円(当日)/ 600円(前売・団体)/ 500円(オータムレイト)
     小・中学生 ▷ 400円(当日)/ 300円(前売・団体)/ 200円(オータムレイト)
     親子ペア  ▷1,100円(前売)
※前売券の販売は、9月7日(水)から10月21日(金)までです。
※親子ペア観覧券は、一般1名と小・中学生1名がセットになった割引観覧券です。前売のみで、販売は主要プレイガイド、コンビニエンスストア(一部)に限ります。(当館観覧券売場では販売していません。)
※観覧券は、当館観覧券売場のほか、近鉄主要駅、近畿日本ツーリスト、JR東海ツアーズ、JTB、日本旅行、ローソンチケット[Lコード:50006]、セブン-イレブン、チケットぴあ[Pコード:767-842]、CNプレイガイド、イープラスなどで販売。
※団体は責任者が引率する20名以上です。
※オータムレイトチケットは、月曜日~木曜日の午後4時30分以降、金曜日・土曜日・日曜日・祝日の午後5時30分以降に使用できる当日券です。当館当日券売場でのみ、月曜日~木曜日は午後3時30分より、金曜日・土曜日・日曜日・祝日は午後4時30分より販売します。  
※障害者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料です。
※奈良国立博物館キャンパスメンバーズ会員の学生の方は、当日券を400円でお求めいただけます。観覧券売場にてキャンパスメンバーズ会員の学生であることを申し出、学生証をご提示ください。

サイト :第68回 正倉院展|奈良国立博物館
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