まいにち奈良づけ♪

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第64回 正倉院展(2012)レポ!(その1)

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第64回 正倉院展」今年も無事終了しましたね〜みなさんは行かれましたでしょうか?

毎年約2週間ほどしか開催されないイベントということもあり、(私の場合は)行く機会を逃す事が結構多いのです(実際、去年は用事と重なり行けませんでした…

という訳で。今回正倉院展に行く事が出来なかった方の為に…また、私自身の備忘録として記事を書いておこうと思います。

※図録など詳細な資料は手元にありませんので、一部うろ覚えの部分もあるかと思いますがご了承下さい。(図録は日数が経ってから、古本屋で安く入手できるということで

正倉院展 2012

私が訪れたのは平日月曜日の夕方4時頃でした。土日なら1時間待ちもあり得ますが、この日は15分待ちとの表示が!でも、実際並んでみると5分ほどで中に入ることが出来ました。
あまり良くないこの日の天気も影響したのだと思いますが、以前来た時は待ち時間だけでも疲れるような状態だったので…平日に行けたのはかなりラッキーでした

正倉院展 2012

チケットを切ってもらっていよいよ展覧会場へ。
会場内は8つのテーマに分れて展示されています。まずは最初のテーマの展示エリアへ…


1.調度品と楽器ー聖武天皇ご遺愛品を中心に

博物館入り口で無料配布されていた資料にはこう書かれていました。

 天平勝宝8歳(756)5月2日に聖武天皇は崩御され、四十九日にあたる6月21日に、ご遺愛の品々が光明皇后によって東大寺大仏に献納されま した。ここではご遺愛品を中心に、飲食の器、鏡と鏡箱、楽器を展示しています。南倉に伝わる銀板を精緻に彫り透かした文様で飾られた銀平脱八稜形鏡箱(ぎんへいだつはちりょうがたのかがみばこ)、楽器ではシタンの地に螺鈿と玳瑁貼りで華麗に装飾された聖武天皇ご遺愛の螺鈿紫檀琵琶(らでんしたんのびわ)と、 その当初の撥である紅牙撥鏤撥(こうげばちるのばち)が並ぴます。華麗な装飾は古代の楽器が演奏を聴く者の目をも楽しませたことをうかがわせます。

資料を読んでみると、ここで特に注目すべき宝物は「銀平脱八稜形鏡箱」と「螺鈿紫檀琵琶」「紅牙撥鏤撥」の3点のようです。
個人的に気になっていた「犀角杯(さいかくのつき)」はなんと入り口から入ったすぐの所に展示されていました。(資料の番号も1番に)初っぱなから気になっていた宝物だったので、妙に興奮しつつもじっくり鑑賞することができました。
どうしてこの「犀角杯」が気になっていたかというと、10月24日付けの読売新聞のある記事を読んだからです。

正倉院展に毎年特別協力している読売新聞では、連日正倉院展の特集記事が掲載されていたのですが、この日の特集は「美しき酒器 宴彩る」と題して、今回の正倉院展に出陳されている3つの酒器が紹介されていました。
3つのうちの1つは、今回の目玉にもなっている「瑠璃杯(るりのつき)」。もう一つは花弁の形をした「金銅八曲長杯(こんどうのはっきょくちょうはい)」です。そして「犀角杯」はサイの角でつくられた酒器で、デザインはとてもシンプルで美しいオレンジ色をしています。サイの角でつくられた酒器という部分にももちろん魅かれたのですが、魅力的なのはその色味。(私の好きな色がオレンジだというのもあるのですが…)
サイの角ってこんなに綺麗な色になるんだ…。
これが新聞の写真を見た時の素直な感想でした。一緒に掲載されていたコバルトブルーの瑠璃杯との対比でより美しく見えたのかもしれません。

正倉院展を訪れて毎年驚くのが、この色彩
1200年以上も前のものがこんなに綺麗な色のままで現存しているのか!という驚きと、昔の人々の色彩感覚の豊かさにハッとさせられます。

…なにも昔の人をバカにしている訳ではありませんが、「昔」というだけで白黒写真のような、もしくは色褪せたセピア色のようなものをイメージしてしまう単純な私に、正倉院展の宝物達は毎回大きな衝撃を与えてくれます。人間が色鮮やかで美しいものに心魅かれる感情は(当たり前のことですが)昔から変わらないんですね。

と。話が大分横にそれてしまいました

美しいライティングで更に綺麗なオレンジ色に輝いていた「犀角杯」をあとにして…側面のガラスケースの中の展示品に目を移しました。このエリアには「螺鈿紫檀琵琶」をはじめ楽器類がいくつか展示されていたのですが、ガラスケースの中に実際に展示されていた「甘竹簫(かんちくのしょう)」と「鉄方響(てつのほうきょう)」の音色を再現したBGMが館内で流されていて、それがとても印象的でした。
天平時代に演奏されていた音色を聴きながら宝物を鑑賞できるなんて、とっても贅沢よく考えられていますね〜

そんな音色を聴きながら…続いては「銀平脱八稜形鏡箱」です。

銀平脱八稜形鏡箱
▲銀平脱八稜形鏡箱

「銀平脱八稜形鏡箱」を鑑賞して、一番驚くのは表面に施された細やかな装飾当時の技術力の高さがうかがえます。「銀平脱八稜形鏡箱」はその名の通り鏡を入れる箱で、銀と漆を使って文様を浮かび上がらせる「平脱(へいだつ)」と呼ばれる高度な技法で作られています。

博物館入り口で配られている「読売新聞 2012年 特別号」には更に詳しい説明が載っていました。

 八つの花びらをモチーフにした鏡をおさめるために作られた箱です。素材は動物の皮を漆で塗り固めたもので、ふたと側面には「銀平脱」という高度な装飾技法によって、クジャクや花の模様が描かれています。
 かぎもあり、大切な鏡を保管していたことがうかがえます。残念ながら、今は鏡そのものは入っていませんが、正倉院に残る鏡箱の中では、特に美しいといわれています。


「平脱」とは、金や銀の板を切って作った文様を、漆ぬりの面に貼り付けて、さらにその上から漆をぬり、乾いてから小刀などで漆の膜をはぎ取る高度な技だそうです。
ということは、これらの細かい文様は全て銀の薄い板を切り抜いて作られたということに…昔の職人さんの技術力と根気に驚かされます。
動物の皮に漆を塗って作るという技法もおもしろいですね今は中に入っていた鏡はないという事ですが、こんなに豪華な入れ物に入っていた鏡…たいそう立派なものだったのでしょうね


続いては「螺鈿紫檀琵琶」と「紅牙撥鏤撥」の展示スペースへ。
「螺鈿紫檀琵琶」を演奏する為のバチ「紅牙撥鏤撥」は想像していたものよりもかなり小さいものでした。

正倉院展のキッズサイトには以下の説明が書かれていました。

象牙の表面を紅色に染めた後、表面を彫って白い部分を出して文様を表す「撥鏤(ばちる)」の技法が使われています。古代中国で親しまれた空想の動物、「麒麟」や一角獣の姿も見えますね。角のところの色がはげているので、実際に演奏に使っていたようです。

鮮やかな赤色がとても印象的なバチで、こちらの文様も見事です。
展示会場では裏面まで見えるようにバチの裏側に鏡を設置する工夫もされており、裏表両面のデザインを実際に鑑賞することができました。角の部分がはげていて、昔の人が実際にこのバチで「螺鈿紫檀琵琶」を演奏した名残があるところも色々な想像が膨らんで、何だか感慨深いです。

螺鈿紫檀琵琶
▲紅牙撥鏤撥(左)螺鈿紫檀琵琶(右)

続いて「螺鈿紫檀琵琶」の登場です。2年前の正倉院展の目玉として「螺鈿紫檀五弦琵琶(らでんしたんごげんびわ)」が大きな注目を集めましたが、それに比べ今回出陳されている螺鈿紫檀琵琶は四弦の琵琶で、表面の装飾は非常にシンプルです。

ですが、螺鈿や紫檀で装飾された琵琶はやはり人気のようで、「螺鈿紫檀琵琶」の周囲には他の宝物以上に人だかりができ、係の人の指示に従いながら鑑賞するという形式でした。
「螺鈿紫檀琵琶」について正倉院展のキッズサイトには…

 聖武天皇が愛用したとされる四絃の琵琶です。四絃琵琶は古代ペルシャ生まれで、現在の琵琶のもとになったといわれています。この琵琶の裏側には花や雲、鳥が貝などで美しくデザインされています。極楽浄土に住み、とても良い声で鳴くという人面鳥「迦陵頻伽(かりょうびんが)」の姿も見えます。

と、説明されていました。
ここで登場する「迦陵頻伽」という人面の鳥がとても不思議です。(どんな姿をしているのかは上記写真の拡大部分を参照してください。)
角が生えたようなしもぶくれの顔に鳥の羽と足を持った体。手に持っているのは皿に盛ったおだんご(?)でしょうか
11月6日付けの奈良新聞にはこの迦陵頻伽についての記事が載っていましたが、それによると迦陵頻伽は舞楽でもおなじみで、背中に羽をつけた子供が舞うそうです。

また四字熟語辞典には

【迦陵頻伽】
美しい声のたとえ。また、声の非常に美しいもののたとえ。あるいはヒマラヤ山中にいる想像上の鳥の名で、まだ殻にあるときに美しい声で鳴くともいい、極楽浄土にすみ、比類なき美声で鳴く想像上の鳥ともいう。浄土曼陀羅じょうどまんだらの絵などでは上半身は美女、下半身は鳥の姿で描かれている。▽仏教語。梵語ぼんごKalavinkaの音写で、仏典では「好声鳥」「逸音鳥」「妙声鳥」などと訳されており、この鳥の比類のない美声を仏の声にたとえている。


と説明されています。
迦陵頻伽の美しい声のように、この「螺鈿紫檀琵琶」も美しい音色で天平の人々の耳を楽しませていたのでしょう。実際の音色はどんなものだったのか…色とりどりの酒器につがれたおいしいお酒を飲みながら、天平音楽の美しい音色に耳を傾ける。当時の人々の宴の様子をイメージしながら、次のエリアへと向います

(最初のエリアだけでかなり記事が長くなってしまいました…次からはもう少しかけ足で行きます


第64回 正倉院展(2012)レポ!(その2)へ続く☆

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